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「発達期の脳は、興奮と抑制のバランスが大切」
こんにちは、こんばんは。
「発達期の脳は、興奮と抑制のバランスが大切」

人間の心の中では、いわゆる理性と欲望が常にせめぎ合い、両者が綱引きをした結果、何らかの行動が選択されているのだろうという事は、日々実感するところです。

最近では、ちょっとした事に切れやすく、衝動を抑えきれない子どもが増えていると言われています。

私達人間の脳は、母親の胎内で脳がつくられ始める時最初に発達する いわば「生命活動そのものを担う脳」とその後できる本能の脳(大脳辺縁系)、さらに 思考の脳(大脳皮質)が発達し、人としての脳の成長をとげるのです。

発達初期の脳、臨界期の脳は、そうした脳の機能が完成に向かう過渡期にあり、「興奮性細胞」と「抑制性細胞」という「アクセル」と「ブレーキ」役の細胞の働き方のバランスが取れていません。

人間の大脳の神経細胞には、この興奮性細胞が約8割、抑制性細胞が約2割あるといわれています。基本的に興奮が先に発達し、抑制がそれに見合うような形で発達します。
その為、約20種類の抑制細胞が確認されています。

ゴーならゴーと一辺倒なアクセルに対し、その調整を担うブレーキには、いきなり止めたり、じわじわ止めたり、時と場合に対応できるよう、色々なバリエーションがあるのです。

たとえば信号に「行け系」は青しかないのに、「止まれ系」には注意を促す黄色もあるように。

そして、面白いことに、脳の中ではこの2割の抑制細胞がきちんと働いて初めて8割の興奮性細胞も十分に機能することができ、「興奮するから抑制できる」「抑制するから興奮できる」というメカニズムがわかっているのです。

脳のやわらかな時期である「臨界期」のカギを握るのも、この抑制性細胞であることが、ヘンシュ高雄氏をリーダーとする理化学研究所の研究チームによる研究で明らかになってきました。
つまり、脳の抑制レベルがある水準に達していないと、臨界期は始まらない!ということがわかったのです。

これは、興奮性細胞の働きをある程度抑制できてこそ、脳は外界からの刺激や情報を取捨選択できるからだと考えられ、ほぼ一生を通じて使われる神経回路がこの時期の子どもの脳の中で形づくられるためにも、抑制性細胞の働きは欠かせないのです。


昔ながらの相撲、綱引きなどのじゃれつき遊びが興奮性細胞を育てるのに効果的と言われています。えっ、興奮させていいのですか?と思われるでしょうが、こうした事があってこそ、その後に抑制性細胞が育つのです。

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なにやら複雑な話になりますが、この抑制は、いわばその興奮に見合うように発達していくため、子どもにとって興奮できることはやはり大切です。

1997年に問題化した「ポケモン事件」では、チカチカと点滅する光を見ていた子どもが、痙攣、吐き気などを訴え、なかには救急車で運ばれる子どももいました。

こうしたことからも分かるように、機械的な強い興奮を必要としているわけでは無く もっと穏やかな興奮、言葉がおかしいですが、こうした健全な興奮が必要なのです。この意味で、親子などのじゃれつき遊びは健全に興奮できるよいものと考えられます。

子どもの脳と心の健やかな発達のためには両方がバランスよく育つことが重要だという事なのですが、「言うは易し、行うは難し」。

とりあえず お布団のうえで 狂って遊んでしまいましょう!そして、一度駄目だよ!と言ったことは、やはり 最後まで守らせるよう頑張りましょう!

がんばるお父さん、お母さんを心から応援しています!!
それではまたお眼にかかりましょうね。

Nakamura momoko
by mgmomoko | 2014-07-23 21:16 | 教育