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「感情の良好な発達 は、生きる力の源です」
こんにちは、こんばんは。

「感情の良好な発達 は、生きる力の源です」


人間は、感情の動物だと言われたりしますが、感情の発達は捕え所がなく、目に見える形にするのは、難しいものです。

1歳未満の子どもに見られる様々な感情は、喜び系、怖れ系、怒り系に分けられますが、
こうした感情が生じるのは、生後5カ月頃からです。
それまでは、単なる刺激によって生じ、生後3カ月を過ぎたあたりから、刺激の内容に応じた反応が見られるようになります。

6か月を過ぎる頃に記憶力が出てきて、過去の経験に照らし合わせて、個人的、主観的な意味に基づく感情が見られるようになります。

生後6カ月を過ぎると、母親が「いないいないばあ」をしたり、「髪の毛をふる」などの行動をした時、つまり、良く知っている母親のイメージと違う行動をすると、笑い声を立てるなどの様子が見られます。

怖れについては、知っている要素と知らない要素が混じり合った時に生ずると考えられます。
知らない要素を見つけた時、知らない人の顔から注意をそらすことが出来なくなり、怖れを感じるようになります。

怒りの感情は、自分がしようと思った事が妨げられたときに生じ、自分の気持ちを説明できない為に「かんしゃく」といった形で気持ちを表します。

感情を言葉で表せるようになるのは、2歳頃からです。このころ他人の表情から感情の理解も出来るようになり、感情は複雑なものだという感覚も持てるようになります。「お母さんのこと好き?」 「うん、でも、怒ると怖いよ」 などがそうです。

3歳を過ぎて来ると、次第に自分の感情を調整しようという行動をするようになります。

目の前のお菓子や食べ物にすぐ手を出さない、など、短い時間であれば我慢できるようになります。

したくないことも「やりなさい」と言われれば,やめたい気持ちを抑えて出来るようになります。
また、うれしいけど、恥ずかしいといった2つの感情を同時に体験することも理解し始めます。

入り混じった複雑な感情を認識できる様になるのは、児童期からだと言われています。
入り混じった感情についての、興味深い研究がなされています。

「あきら君は、ポチという犬をかっていて、とても可愛がっていました。けれど、ある日ポチは死んでしまいました。それからしばらくして、あきら君の誕生日がやってきました。あきら君の友達は、新しい犬を買って、あきら君にプレゼントしました。」

この話の後に、
「あきら君は、どんな気もちがした?」
「どうしてそんな気持ちになった?」など尋ねます。

その結果、否定的感情と肯定的感情の双方を理解し、答えられたのは8歳ではほとんど見られなかったのですが、10歳では見られ、12歳では4割の子どもがもっともらしく答えられたと言います。

ところで、
a0183245_2028547.jpgローレンシャンスクールでは、こうした気持ちのレッスンも大切にしているので、この問題を6歳(年中)から7歳(小1)の生徒に質問してみました。

驚くことに、6歳でも、2つの感情をしっかりと理解し、言葉にできていました。

小さなお子さんは、日頃より特に意識しない限り、自分の心に向き合う経験はありません。今まで、感情は自然に湧きあがるものと思われてきましたが、「今、どんな気持ち?」 「お友達は、どんな気もちだったと思う?」など、気持ちに向き合う機会を多く持たせることで、研究結果よりも、数段深く気持ちを理解できるようになります。

気持ちが早く理解出来ると、無駄に友達やお母さんとぶつかることも少なくなり、良好な関係を早く築けるようになり、結果的にネガティブな経験が少なく、他人にも優しく振舞うことができるようになると感じています。

気持ちにしっかり向き合い、自分の気持ちを大切にすることは、生きる力も強くするものだと、改めて感じました。
幼児期に、こうした気持ちに向き合う経験の少ないお子さんは、残念ながら年齢とは関係なく、気持ちを理解できないまま、大きくなってしまっています。

本の読み聞かせも、時々お話を中断して、「この子、悲しいね」とか、「お猿さん、嬉しかったね」など、気持ちに向き合うよう導いてあげることは、とても大切です。

子育て真っ最中のお母さまを、心から応援しています!

ではまた、お目にかかりましょうね
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by mgmomoko | 2011-11-10 20:29 | 教育
「教室風景」その7・香りのプログラム
こんにちは、こんばんは。

「教室風景」その7・香りのプログラム

今回は、ローレンシャンスクールの卒業生でもあり、スタッフでもある早川 沙里先生の投稿です。

香りのプログラムの教室風景でもあるのですが、沙里先生は、このあと、伊勢の香りのコンテスト
にて、最優秀の「環境大臣賞」を受賞、先日の11月3日、文化の日に細野大臣より表彰状を授与され大変感激して帰って参りました。
。。。。。。 。。。。。。。。

こんにちは。ローレンシャンインターナショナルスクールの早川沙里です。
私事になりますが、約2年前、本格的に香りを学び始めました。そのキッカケは突然蘇った香りの記憶です。

12年程前、寝たきりの祖父が入院していたホスピス病棟で、香りある優しい空間に、力がホッと抜けて心地よくなった経験があります。大変な看病の現場であるにもかかわらず、祖父だけでなくそこにいる患者さんや家族、医療に携わる方々が、穏やかな表情をしている空間がとても印象的でした。

祖母と旅行をしたときに偶然嗅いだ“花”の香りから、何年も前のそのような景色や感情、人の心の奥の温かい何かが蘇ったとき、もっとこの感覚のキッカケとなった“香り”について深く知りたいと思い、帰国後すぐに学び始めました。

実際に学び始めると香りが、therapy(=癒し)以上に、心のスイッチ“オンとオフ”の役割や、人の心と心をそっと近づけてくれる感覚など、香りの体験を重ねながら、不思議!!と思うことや感謝する機会が増えました。

ここ数年間で、科学的にも香りのメカニズムが解明されていて、感情や記憶力に関わる面白い研究結果も次々発表されています。*
特に子供の五感(特に嗅覚や味覚)が、実は私たち大人が感じている世界よりも深く繊細と知った私は、いつか何かローレンシャンスクールで、“本物の香り”を伝えることが出来たら。。と感じていました。

そして百子先生、和世先生からの温かい温かい後押しとサポートを頂いて、
先日、感受性プログラムを行いました。
〜自然の植物の香りの力を借りてゆるやかに脳を刺激し、心の感性を引き出す、オリジナルプログラム〜終了後、面白い結果が出たので、ご報告させていただきたいと思います。

〜ひと場面をご紹介〜

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ラベンダーの葉から香りの“もと”をとる実験timeでのお話です。
皆で協力しながら、沢山のラベン
ダーの葉と枝を手で細かくしていると、5歳のK君は
「葉と枝って匂いが全然ちがう〜!」と一言。
それぞれの部位の匂いのイメージを絵でも表していました。

山盛りの生のラベンダーから実際に出来た香りの液体はティース
プー ンにわずか一杯弱。。。
実験前、香りの成分はどんなもので、どれくらいになるのか予想を尋ねると、
腕を広げて「これと同じくらいかな?」と言ったり
「こんなに頑張って葉を採ったから、2倍のふわふわになります!!」(この想像力も、ステキです♪)と話し合っていた二人にとって、香りが目に見えるか見えない位の、ほんの僅かな液体となったことは、驚きだった様です。

しかしそれ以上に驚いていたのは、集まって出来た“香り”です。
採れたての“香り”は、
よく売られているラベンダーのエッセンシャルオイル(精油)とは異なる、澄んだ生命力を感じる香り〜

顔を近づけて鼻をクンクンさせると、目を丸くしたり、肩をあげて驚いていました。
6歳のM君に、嗅いでどんな気持ちかをお尋ねすると
「スーッとする〜!なんだか、悪いことを出して良いことを身体の中に入れる感じ」とのコメント。

実はラベンダーは、ラテン語のLavare=“洗う”に由来します。古代ギリシャの有名な植物学者は「汝の胸にある憂いに効果がある」とすすめていたのだそう。
(簡単に言うと、「あなたの胸の内のもやもやをスッキリさせますよ。」でしょうか)

言葉の先入観を全く受けずに M君が感じとった感覚が、植物の長い歴史や物語と繋がる部分があり、私も驚きました。きっとこの植物学者もM君の言葉を聞いたら、うんうんと頷いておられることでしょう。

今度はそれを絵にしてみるとK君は

この絵の左側から右側に人差し指をゆっくりスライドさせながら、
「こっちからこっちに動いているんだよ」
と表現しました。隣にいるM君もそれを聞いて「なんか分かる気がする!センスあるなぁ」とお互いを認め合っています。感性を引き出し合う二人の姿がとっても可愛くて、私も嬉しくなってしまいました。

そんな体験を入り口として、様々な香りを感じて表現するレッスンを行い、
最後は、お母様お父様へプレゼントする香り石鹸を作ることに。

自分の香りの好みが分かるようになった男の子達は、
お母様やお父様への香り選びも、真剣かつ明確な意思を持って選
びます。

「お母さんは、これ!絶対こっちです!」「お父さん、これは好きじゃ
ないと思う」
などの言葉が飛び交っていました。
(実際、レッスンの後お母様に、M君が選んだ“お母様の好みと苦手な香り”を聞きていただきましたが、見事に的中‼私も驚きました。)

そして何よりも、大好きな人の喜ぶ姿を想像して選んだり作る姿は、
愛に溢れていて可愛らしいです。

また、子供達がそれぞれのご家庭で普段から、お母様やお父様それぞれの仕草や発言を、目や耳や心全てをフルに使って観察していること、そして、特徴や好みを感じ取っていることを感じ、改めて私自身も学ばせていただきました。

お昼過ぎから夕方まで、時間をたっぷりかけた特別プログラムでしたが、時計を見てあと5分ということを伝えると、
「えっ?もう終わっちゃうの?!」と言って顔を合わせたK君とM君。

下の写真は実際にレッスン前とレッスン後にそれぞれの「気持ち」を絵に表していただいたものです。

「香り」に触れる時間が、ホッとしたり、心を満たす何かキッカケの扉になりますように。。という想いでプログラムを行っていたのですが、この絵の違いに私も驚いてしまいました。

香りは、感情や記憶を指令する脳の“海馬”という部分を活発にするといわれています。
また、日本の古くから伝わる文化の一つである“香道”では、お香の席で、香を嗅いで楽しむことを“香を聞く”といいますが、この言葉に私はとても惹かれます。
目には見えないけれど、そこに存在するモノやコトを五感すべてを使って、本来備わった感覚でキャッチしていくことが人間にもできるのだと感じさせてもらっている気がします。


子供達を通して、学ぶことがとても多かった今回の機会に改めて心から感謝しますとともに、
今後も、続けていけたら嬉しいです。
     拝読ありがとうございます。      
                        早川 沙里
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by mgmomoko | 2011-11-09 09:56 | 教育