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「50年残る 宝の言葉」
「50年残る 宝の言葉」

人はそれぞれ人生を大きく変えるような人との出会い、または忘れられない言葉があると思います。

私も、10才の時の小学校の先生との出会いによって、引っ込み思案であった私が大変身できたと感謝しています。

どのくらい私が引っ込み思案であったかというと、幼稚園年少の1年間、母が幼稚園の下駄箱付近でお帰りまでずっと待っていてくれ、それでやっと通園できたという どうしようもない子どもでした。先生から「皆勤賞はお母さまに差し上げないとね」。と言われグサリときた事を覚えています。

小学校の担任である近藤先生は、後に分かった事ですがかなりの文学青年で、高校時代大人に混じって俳句の文壇で大きな賞を取り、周りの大人たちをあっと言わせたそうなのです。

この先生が、国語の授業中、「月にむらくも、花に・・・、何か分かる者はいるか?」の質問に、教室中シ~ンとする中、もちろん気の弱い私ですから知っていても手など挙げられる訳がありません。でも、なぜか先生は分かったんですね。「分かるか?」と私を指したのです。小さな声で「風」と、答えた時の先生の表情が、なんとも嬉しそうだったのを、今でも忘れる事ができません。

この時も、「意味は分かるか?」の問いに、
「きれいな月が出ると雲が邪魔をして、きれいな花が咲くと、強い風が吹いて邪魔をする。世の中は、ままならない」と答えたのですから、いかに耳年寄りだったかと可笑しくなります。

そんなことがあったせいか、その後もたいそう可愛がって頂き、徐々にではありますが自信を取り戻し、お友達と先生のご実家にまで遊びに行くようになりました。(今では、このような事は、問題だと思いますが)

先生がお亡くなりになる前に、是非感謝の言葉をお伝えしたいと、昨年の年賀状にお目にかかりたい旨を記しました所、快諾してくださり、50年ぶりに、感謝の想いをお伝えする事ができました。

今、私達は、多くの可愛らしい生徒さんに囲まれ、どの位「50年のこる宝の言葉」をかけることができるかと思うと、責任重大、改めて身の引き締まる思いです。
世の中が不安定な状況にありますが、こんな時、戦争を体験した明治生まれの母親の口癖を思い出します。

“『身に付けただけが財産』だから、教育をしっかりつけておきなさい。そうしたものは、誰も取ることが出来ないからね。“と。

東北・関東大震災に対して、世界中の方たちが暖かいメッセージを送ってくださる毎日、、人間って本当に素晴らしいんだ!!との想いを強くしています。
by mgmomoko | 2011-03-18 19:05 | 教育